- 「仕訳が覚えられない」
- 「借方と貸方が混乱する」
- 「問題を解こうと思うとわからなくなる」
簿記3級の勉強を始めると、まず仕訳で悩む人も多いのではないでしょうか。
仕訳は簿記3級の学習で避けては通れませんが、仕訳を丸暗記する必要はありません。
簿記3級の仕訳を覚えるコツは、「何が増えた・減った?」→「どの勘定科目?」→「借方・貸方のどちら?」という順番で考えることです。
仕訳のパターンを理解し、実際に問題を繰り返し解くことで、少しずつ仕訳が身についていきます。
この記事では、簿記3級の仕訳が覚えられない初心者に向けて、仕訳の基本ルールから覚え方のコツ、よくある間違い、効率的な練習方法までわかりやすく解説します。
- 仕訳が覚えられない原因
- 借方・貸方と5つのグループの基本ルール
- 簿記3級の仕訳を覚える6つのコツ
- 仕訳でよくある間違いパターン
- 仕訳を覚えるためのおすすめ勉強法
- 仕訳問題を解く6ステップ
はりぃ「仕訳が苦手」という人も、この記事の方法を使って少しずつ仕訳問題を解けるようにしていきましょう。
簿記3級の仕訳が覚えられないのはなぜ?
簿記3級の仕訳が覚えられないのは、単純に「暗記が苦手だから」ではありません。
- 借方・貸方の意味がよくわかっていない
- 勘定科目が多くて混乱する
- 仕訳をそのまま丸暗記しようとしている
- 問題文から取引の内容を読み取れていない
- 仕訳問題を解く練習が足りない
特に注意したいのが、仕訳を丸暗記してしまうことです。
例えば「現金で商品を売ったら、現金/売上」と覚えるだけでは、違うパターンの問題が出たときに対応することができません。
「現金が増えたから資産の増加」「売上が発生したから収益の増加」というように、仕訳のルールを理解しておけば、初めて見る問題でも考えて答えられるようになります。



仕訳が覚えられないときは、まず仕訳のルールを身につけましょう。
仕訳を覚える前に知っておきたい基本ルール


仕訳を覚えるためには、借方・貸方と5つのグループの関係を理解しておく必要があります。
借方は左、貸方は右
仕訳では、左側を「借方」、右側を「貸方」と呼びます。
まずは、借方=左、貸方=右と覚えましょう。
ただし、「借方だから増える」「貸方だから減る」と単純に覚えてはいけません。
何が増えたときに借方になるのかは、勘定科目のグループによって異なります。
勘定科目は5つのグループに分けて考える
簿記3級の勘定科目は、大きく次の5つに分けられます。
- 資産
- 負債
- 純資産
- 収益
- 費用
それぞれの増減と借方・貸方の関係を覚えておくと、仕訳を考えやすくなります。
| グループ | 増えたとき | 減ったとき |
|---|---|---|
| 資産 | 借方 | 貸方 |
| 負債 | 貸方 | 借方 |
| 純資産 | 貸方 | 借方 |
| 収益 | 貸方 | 借方 |
| 費用 | 借方 | 貸方 |
例えば、現金は「資産」です。
現金が増えた場合は借方、現金が減った場合は貸方になります。
このルールを理解しておけば、「現金だから借方」などと丸暗記する必要はありません。
仕訳は「何が増えて、何が減った?」から考える
仕訳問題を解くときは、いきなり借方・貸方を決めないことがポイントです。
例えば、商品を現金100円で販売したという取引なら、「現金が増えた」「売上が増えた」と考えます。
現金は資産なので、増加は借方。
売上は収益なので、増加は貸方。
したがって、借方:現金100円/貸方:売上100円となります。
このように、仕訳は「答えを覚える」のではなく、取引の内容→増減→グループ→借方・貸方の順番で考えることが大切です。
簿記3級の仕訳の覚え方6つのコツ


ここからは、簿記3級の仕訳を覚えるための具体的なコツを6つ紹介します。
仕訳を丸暗記しない
仕訳を覚えるときに一番避けたいのが、仕訳をそのまま丸暗記することです。
例えば、現金/売上という仕訳だけを覚えるのではなく、以下のように考えれば、自然に仕訳が決まります。
- 商品を販売した
- 現金を受け取った
- 現金が増えた
- 現金は資産
- 資産の増加は借方
同時に、以下の仕訳も発生します。
- 売上が発生した
- 売上は収益
- 収益の増加は貸方



最初は少し時間がかかっても、仕訳の理由を考える習慣をつけましょう。
まず「何が増えた・減った」を考える
仕訳問題を見たら、最初に借方・貸方を考えるのではなく、「この取引で何が変化した?」と考えます。
- 何が変化した?
- 増えた?減った?
- 何のグループ?
- 借方・貸方のどちら?
例えば「商品を後払いで販売した」という問題なら、以下のように考えます。
- 商品を販売した
- 売上が増えた
- 売掛金が増えた
- 売掛金は資産、売上は収益
- 資産の増加=借方、収益の増加=貸方



この順番を身につけると、仕訳問題で迷いにくくなります。
勘定科目を5つのグループに分類する
勘定科目を1つずつバラバラに覚えるのではなく、5つのグループに分類しましょう。
| 資産 | 現金 |
| 普通預金 | |
| 売掛金 | |
| 商品 | |
| 備品 など |
| 負債 | 買掛金 |
| 借入金 | |
| 未払金 など |
| 収益 | 売上 |
| 受取利息 など |
| 収益 | 売上 |
| 受取利息 など |
| 費用 | 仕入 |
| 給料 | |
| 水道光熱費 | |
| 通信費 | |
| 支払家賃 など |
勘定科目を見たときに「これは資産」「これは費用」と判断できるようになると、仕訳がかなり楽になります。
ただし、最初からすべての勘定科目を完璧に覚えようとする必要はありません。
まずは問題集でよく出てくる勘定科目から覚えていきましょう。
よく出る仕訳を「パターン」で覚える
仕訳は、1つずつ暗記するよりも、似た取引をパターンとして覚えると効率的です。
例えば商品を販売した場合、以下のように「販売」という共通点から整理できます。
| 取引内容 | 仕訳 |
|---|---|
| 現金で販売 | 現金/売上 |
| 後払いで販売 | 売掛金/売上 |



「この仕訳は前に覚えたものと似ている」と気づけるようになると、仕訳がラクに覚えられます。
似ている仕訳をセットで覚える
似ている仕訳をセットで覚えるのもおすすめです。
例えば、売掛金なら、以下のように「発生」と「回収」をセットにします。
| 取引内容 | 仕訳 |
|---|---|
| 商品を後払いで販売した | 売掛金/売上 |
| 売掛金を現金で回収した | 現金/売掛金 |
| 取引内容 | 仕訳 |
|---|---|
| 商品を後払いで仕入れた | 仕入/買掛金 |
| 買掛金を現金で支払った | 買掛金/現金 |



このように、反対の動きをする仕訳を並べて覚えると、わかりやすくなります。
1日10~20分でも毎日仕訳を解く
仕訳は、まとめて一気に覚えるよりも、毎日少しずつ問題を解く方が続けやすくなります。
例えば、平日は10~20分、休日は20~30分仕訳問題を解くといったように、無理のない時間から始めてみましょう。
「今日は10問だけ解く」「昨日間違えた問題だけ復習する」など、毎日仕訳に触れる習慣を作りましょう。



仕訳に慣れてくると、「これは売掛金の取引だな」「現金が減っているな」と判断のスピードも上がってきます。
仕訳でよくある間違いパターン


仕訳が苦手な人は、同じようなところで間違えることがあります。
自分がどのパターンに当てはまるか確認してみましょう。
借方=増加、貸方=減少と覚えている
「増えたら借方、減ったら貸方」と覚えてしまうと、仕訳で混乱します。
例えば、資産は増加すると借方ですが、負債は増加すると貸方です。
そのため、「増えた・減った」だけで判断するのではなく、「何のグループなのか」を確認することが大切です。
勘定科目だけを見て判断する
「現金が出てきたから借方」のように、勘定科目だけで仕訳を決めるのも危険です。
同じ現金でも、現金が増えた、現金が減ったでは仕訳の位置が変わります。
必ず「その取引で何が起きたのか」を確認しましょう。
売掛金と買掛金を混同する
売掛金と買掛金は、簿記3級の仕訳で混乱しやすい組み合わせです。
覚えるときは、以下のように考えるようにしましょう。
- 売掛金=売ったけれど、まだ代金を受け取っていない
- 買掛金=買ったけれど、まだ代金を支払っていない



自分がお金をもらう側なのか、払う側なのかを考えると判断しやすくなります。
お金が出ていったから「費用」と考える
「現金を支払った=費用」とは限りません。
例えば、備品を現金で購入した場合は、現金という資産が減り、備品という資産が増えます。
そのため、取引の内容を確認せずに「お金が出ていったから費用」と判断しないようにしましょう。
問題文を最後まで読まない
仕訳問題では、問題文の最後まで読むことも大切です。
例えば、「商品を100,000円で販売し、代金は後払いにした」なら、現金を受け取ったわけではありません。
「後払いとした」という部分まで読むことで、売掛金を使うことがわかります。
仕訳を解いたら3つをチェック
仕訳に答えたら、次の3つを確認する習慣をつけましょう。
- 何が増えた?
- 何が減った?
- 借方・貸方の位置は合っている?
仕訳を覚えるためのおすすめ勉強法
仕訳を覚えるには、「理解する→問題を解く→間違いを復習する」という流れがおすすめです。
まず5つのグループを理解する
最初から大量の仕訳を暗記するのではなく、5つのグループを理解しましょう。
- 資産
- 負債
- 純資産
- 収益
- 費用
基本的な仕訳を理解する
次に、現金・預金・売上・仕入・売掛金・買掛金など、よく使う勘定科目の仕訳を練習します。
この段階では、「なぜ借方なのか」「なぜ貸方なのか」を考えることが大切です。
よく出るパターンを覚える
基本がわかってきたら、似た取引をまとめて練習します。
例えば、売掛金の発生→売掛金の回収、買掛金の発生→買掛金の支払いのように、関連する仕訳をセットで覚えましょう。
問題集で繰り返し解く
仕訳は、知識を覚えるだけでは解けるようになりません。
実際に問題を解いて、「問題文から取引を読み取る」「増減を考える」「勘定科目を判断する」という練習を繰り返しましょう。
仕訳の練習に使う問題集を探している方は、「簿記3級おすすめ問題集」の記事も参考にしてみてください。


間違えた仕訳を復習する
最後に、間違えた問題を繰り返します。
とくに「何度も間違える仕訳」は、自分の苦手なパターンです。
間違えた理由を確認して、翌日にももう一度解いてみましょう。
仕訳の練習には問題集を活用しよう
仕訳を覚えるには、テキストを読むだけでなく、実際に問題を解くことが大切です。
問題集を選ぶときは、仕訳問題が十分に収録されていて、間違えた理由を確認できるように解説がわかりやすいものを選ぶとよいでしょう。
簿記3級の問題集を探している方は、こちらの記事でおすすめの問題集を紹介しています。


簿記3級でよく出る仕訳パターン
仕訳を覚えるときは、よく出る取引をパターンとして整理すると効率的です。
ここでは代表的な仕訳を紹介します。
現金・預金に関する仕訳
現金や普通預金は、簿記3級の仕訳で頻繁に登場します。
例えば、商品を現金で販売した場合は、借方:現金/貸方:売上となります。
「現金が増えた」というところから考えるのがポイントです。
商品の仕入れ・販売
商品を現金で仕入れた場合は、借方:仕入/貸方:現金
商品を現金で販売した場合は、借方:現金/貸方:売上 となります。
「仕入れ」と「販売」をセットで覚えると理解しやすいです。
売掛金・買掛金
掛け取引では、売掛金と買掛金を使います。
商品を掛け(後払い)で販売した場合:借方:売掛金/貸方:売上
商品を掛け(後払い)で仕入れた場合:借方:仕入/貸方:買掛金
「売った側=売掛金」「買った側=買掛金」と整理しましょう。
借入金・貸付金
お金を借りた場合は借入金、お金を貸した場合は貸付金を使います。
例えば、銀行から現金を借り入れた場合:借方:現金/貸方:借入金となります。
「現金が増えた」という資産の変化と、「返済する義務が増えた」という負債の変化を考えましょう。
固定資産
備品や建物などを購入した場合は、購入したものに応じた資産の勘定科目を使います。
例えば、備品を現金で購入した場合:借方:備品/貸方:現金です。
「現金を支払ったから費用」と考えないように注意しましょう。
給料・税金
給料や税金に関する仕訳も、簿記3級で学習する重要な項目です。
ただし、最初から細かい仕訳を丸暗記するのではなく、問題文を読んで「何が増えた・減ったのか」を確認することが大切です。
費用の支払い
家賃や水道光熱費、通信費などを支払った場合は、費用と現金・預金の増減を考えます。
例えば、家賃を現金で支払った場合:借方:支払家賃/貸方:現金となります。
「費用の増加=借方」という基本ルールを使って考えましょう。
決算整理に関する仕訳
簿記3級では、決算整理に関する仕訳も学習します。
ここまで進むと仕訳の種類が増えて難しく感じるかもしれませんが、基本的な考え方は同じです。
「何が増えたのか・減ったのか」「どの勘定科目なのか」を確認しながら、一つずつ整理していきましょう。
仕訳問題で迷ったときの解き方【6ステップ】


仕訳問題で迷ったら、次の6ステップで考えてみましょう。
問題文から取引を見つける
まず、問題文を最後まで読みます。
「商品を販売した」
「現金を支払った」
「銀行から借り入れた」
など、何が起きたのかを確認しましょう。
増えたもの・減ったものを考える
次に、何が増えた?、何が減った?と考えます。
ここでいきなり借方・貸方を決めないことがポイントです。
勘定科目を決める
増えたもの・減ったものを、具体的な勘定科目に置き換えます。
例えば、「まだ代金を受け取っていない商品販売」なら、「売掛金」と判断します。
5つのグループに分類する
その勘定科目が、以下のどれなのかを考えます。
- 資産
- 負債
- 純資産
- 収益
- 費用
借方・貸方を決める
5つのグループがわかったら、増減ルールから借方・貸方を決めます。
ここまで順番に考えると、仕訳を丸暗記していなくても判断しやすくなります。
金額を入れて確認する
最後に金額を入れ、借方の合計金額=貸方の合計金額になっているか確認します。
仕訳が覚えられないときにやってはいけないこと
仕訳がなかなか覚えられないときは、勉強方法を見直してみましょう。
仕訳をひたすら丸暗記する
仕訳をそのまま暗記すると、少し問題の文章が変わっただけで解けなくなることがあります。
「なぜこの仕訳になるのか」を考えることを優先しましょう。
いきなり大量の問題を解く
いきなり100問、200問と解こうとすると、間違えた原因がわからないまま先に進んでしまうことがあります。
最初は問題数を増やすより、1問ずつ仕訳の理由を理解することを意識しましょう。
間違えた問題を放置する
間違えた問題こそ、自分の苦手なポイントです。
正解を確認して終わりにせず、もう一度自分で仕訳を書いてみましょう。
借方・貸方だけを暗記する
「これは借方」「これは貸方」と勘定科目ごとに丸暗記するのではなく、何が増えた・減った→どのグループ→借方・貸方という流れを身につけましょう。
テキストを読むだけで満足する
仕訳は、読むだけではなかなか身につきません。
基本を理解したら、必ず問題を解いてみましょう。
「わかったつもり」と「実際に解ける」は別物です。
仕訳の勉強はいつから始めればいい?
簿記3級の勉強を始めたら、仕訳は早い段階から少しずつ練習しておくのがおすすめです。
ただし、最初から難しい仕訳問題を大量に解く必要はありません。
まずは、このような順番で学習を進めましょう。
- 簿記の基本を理解する
- 5つのグループ(資産・負債・純資産・収益・費用)を覚える
- 基本的な仕訳を解く
- 少しずつ問題の難易度を上げ、仕訳問題を解く
簿記3級の勉強をどのような順番で進めればいいのか知りたい方は、「簿記3級の勉強手順」の記事も参考にしてみてください。


また、簿記3級の勉強法全体を知りたい方はこちらの記事で詳しく解説しています。


仕訳をマスターすると簿記3級の勉強が楽になる
仕訳は、簿記3級試験の第1問のためだけに覚えるものではありません。
簿記3級の学習を進めると、さまざまな場面で仕訳の知識を使います。
最初は、「借方と貸方がわからない」「勘定科目が覚えられない」と感じるかもしれません。
しかし、仕訳の基本ルールを理解して問題演習を繰り返していると、少しずつ問題文を見ただけで取引の内容をイメージできるようになります。
仕訳がスムーズにできるようになると、その後の学習も進めやすくなります。
だからこそ、仕訳が苦手だからといって避けるのではなく、毎日少しずつ仕訳問題に触れることを意識してみましょう。
まとめ
簿記3級の仕訳を覚えるときは、仕訳をそのまま丸暗記するのではなく、「何が増えたのか・減ったのか」から考えることがポイントです。
今回紹介した仕訳の覚え方をまとめると、次の7つです。
- 仕訳を丸暗記しない
- まず「何が増えた・減った」を考える
- 勘定科目を5つのグループに分類する
- よく出る仕訳をパターンで覚える
- 似ている仕訳をセットで覚える
- 1日10~20分でも仕訳を練習する
仕訳が覚えられないときは、いきなり暗記量を増やす必要はありません。
- 何が変化した?
- 増えた?減った?
- なんのグループ?(資産・負債・純資産・収益・費用)
- 借方・貸方のどちら?
最初は時間がかかっても、問題を繰り返し解いていくうちに、少しずつ仕訳を判断するスピードが上がってきます。
「仕訳が苦手」と感じている人も、まずは1日10~20分から始めて、できる仕訳を一つずつ増やしていきましょう。
簿記3級の勉強全体の進め方については、こちらの記事も参考にしてみてください。


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